2026年1月1日時点の公示地価と、2025年7月1日時点の基準地価を集計した最新データをもとに、
・麻生区全体の地価
・町名別のエリアランキング
・駅別の地価ランキング
・地価上昇率が高い地域
・麻生区内で最も高い地点
・1983年以降の地価推移
を整理します。
2019年に新百合ヶ丘タイムズでは、麻生区の地価について、
・地価が最も高いのは「新百合ヶ丘エリア」
・上昇率が最も高いのは「はるひ野エリア」
と紹介しました。
麻生区の地価は「新百合ヶ丘エリア」がトップ!上昇率トップは「はるひ野エリア」
それから約7年が経過し、麻生区の地価はどのように変わったのでしょうか。
まず知っておきたい「公示地価」と「基準地価」の違い
今回のデータ「土地価格相場が分かる土地代データ」には、次の2種類の土地価格が使われています。
参考
川崎市麻生区土地価格相場が分かる土地代データ
公示地価
・国土交通省が公表
・毎年1月1日時点の価格
・3月下旬に公表
・土地取引や不動産評価の目安として使われます
基準地価
・都道府県が公表
・毎年7月1日時点の価格
・9月下旬に公表
・公示地価を補う土地価格の指標です
今回参照した「土地代データ」の駅別・エリア別ランキングは、「土地価格相場が分かる土地代データ」が2026年の公示地価と2025年の基準地価を合わせて独自に集計したものです。
また、表示されている変動率は「各地点の変動率の平均」であり、平均地価そのものが同じ割合で上昇したことを示す数字ではありません。(川崎市公式ホームページ)
麻生区の公示地価平均は30万6,641円/㎡
2026年の川崎市麻生区の公示地価平均は、次の通りです。
・平均地価:30万6,641円/㎡
・坪単価:101万3,689円/坪
・平均変動率:プラス5.12%
前年の2025年は28万8,743円/㎡だったため、平均価格は約1万7,900円上昇しました。麻生区の公示地価平均が、坪単価で100万円を上回る水準になった点は注目されます。ただし、この30万6,641円という数字には、住宅地だけでなく、新百合ヶ丘駅前など価格の高い商業地も含まれています。
川崎市が公表した用途別の平均では、麻生区は次のようになっています。
・住宅地平均:23万9,400円/㎡
・住宅地の平均変動率:プラス4.8%
・商業地平均:76万3,800円/㎡
・商業地の平均変動率:プラス7.0%
住宅地より商業地の方が高い上昇率となっており、新百合ヶ丘駅前を中心とした商業地の価格上昇が、麻生区全体の平均を押し上げていることが分かります。
町名別の地価1位は「万福寺」
町名別のエリア地価を見ると、麻生区で最も平均価格が高かったのは万福寺です。
麻生区のエリア地価上位
| 順位 | エリア | 地価平均 | 坪単価平均 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 万福寺 | 64万9,500円/㎡ | 214万7,107円/坪 | +6.86% |
| 2位 | 上麻生 | 53万833円/㎡ | 175万4,820円/坪 | +6.42% |
| 3位 | 百合丘 | 43万3,000円/㎡ | 143万1,404円/坪 | +6.31% |
| 4位 | 王禅寺西 | 25万7,666円/㎡ | 85万1,790円/坪 | +4.10% |
| 5位 | 五力田 | 24万3,000円/㎡ | 80万3,305円/坪 | +7.52% |
万福寺には、新百合ヶ丘駅北口の商業地と、駅近の住宅地が含まれています。
特に万福寺1丁目には駅前店舗やオフィスなどが集まっているため、住宅地を中心としたエリアより平均価格が高くなっています。
「新百合ヶ丘エリア」は万福寺と上麻生が中心
以前の記事では「新百合ヶ丘エリア」という区分で紹介していました。
一方、現在のデータでは、住所に基づいて、
・万福寺
・上麻生
・百合丘
・王禅寺西
・金程
・千代ケ丘
などに分けて集計されています。そのため、以前の記事における「新百合ヶ丘エリア」は、現在の町名別ランキングでは主に万福寺と上麻生に分かれていると考えると分かりやすいです。
2026年のランキングでは、万福寺が1位、上麻生が2位となっており、現在も新百合ヶ丘駅周辺が麻生区の地価をけん引しています。
町名別の上昇率1位は「五力田」
地価の高さでは万福寺が1位ですが、上昇率で見ると結果が変わります。
エリア別の上昇率上位
| 順位 | エリア | 変動率 | 地価平均 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 五力田 | +7.52% | 24万3,000円/㎡ |
| 2位 | 白鳥 | +7.37% | 23万3,000円/㎡ |
| 3位 | 万福寺 | +6.86% | 64万9,500円/㎡ |
| 4位 | 栗木台 | +6.50% | 21万3,000円/㎡ |
| 5位 | 上麻生 | +6.42% | 53万833円/㎡ |
| 6位 | 百合丘 | +6.31% | 43万3,000円/㎡ |
最も上昇率が高かった五力田は、五月台駅周辺の住宅地です。五力田1丁目の調査地点は、五月台駅から約300mの住宅地で、2026年は24万3,000円/㎡、前年比プラス7.52%となりました。白鳥もプラス7.37%となっており、五月台駅周辺では比較的強い上昇が確認できます。
新百合ヶ丘駅周辺だけでなく、多摩線沿線の駅近住宅地にも土地需要が広がっていることがうかがえます。
駅別の地価1位は新百合ヶ丘駅
駅を中心とした地価ランキングでは、新百合ヶ丘駅が40万円/㎡で1位となりました。
麻生区の駅地価ランキング
| 順位 | 駅 | 地価平均 | 坪単価平均 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 新百合ヶ丘駅 | 40万円/㎡ | 132万2,314円/坪 | +5.55% |
| 2位 | 百合ヶ丘駅 | 28万5,909円/㎡ | 94万5,154円/坪 | +4.89% |
| 3位 | はるひ野駅 | 25万3,000円/㎡ | 83万6,363円/坪 | +6.55% |
| 4位 | 若葉台駅 | 24万9,500円/㎡ | 82万4,793円/坪 | +4.18% |
| 5位 | 栗平駅 | 24万2,250円/㎡ | 80万826円/坪 | +5.56% |
| 6位 | 読売ランド前駅 | 22万7,875円/㎡ | 75万3,305円/坪 | +3.65% |
| 7位 | 五月台駅 | 22万2,000円/㎡ | 73万3,884円/坪 | +5.88% |
| 8位 | 柿生駅 | 18万2,166円/㎡ | 60万2,203円/坪 | +2.93% |
| 9位 | 鶴川駅 | 17万7,214円/㎡ | 58万5,832円/坪 | +3.28% |
| 10位 | 黒川駅 | 9万8,950円/㎡ | 32万7,107円/坪 | +0.26% |
新百合ヶ丘駅は2位の百合ヶ丘駅より、平均で1㎡あたり約11万4,000円高くなっています。
快速急行・急行の停車、小田原線と多摩線の利用、駅前商業施設や行政・医療機能の集積など、麻生区の中心駅としての利便性が価格に表れていると考えられます。駅別の集計には商業地も含まれるため、住宅だけの相場とは異なる点には注意が必要です。
駅別の上昇率トップは、引き続き「はるひ野駅」
駅別の変動率で最も高かったのは、はるひ野駅のプラス6.55%です。
・地価平均:25万3,000円/㎡
・坪単価平均:83万6,363円/坪
・変動率:プラス6.55%
以前の記事でも、上昇率トップとして「はるひ野」を紹介していました。2026年の最新データでも駅別の上昇率は、はるひ野駅がトップとなっており、継続して強い動きを見せています。(新百合ヶ丘タイムズ)
はるひ野2丁目の住宅地では、2025年の23万5,000円/㎡から、2026年は25万5,000円/㎡へ上昇し、変動率はプラス8.5%でした。
駅から約450mで、区画整理された閑静な住宅地という条件が評価されている地点です。
麻生区内で最も地価が高い地点は上麻生1丁目
個別地点で最も地価が高かったのは、新百合ヶ丘駅南口側の上麻生1丁目5番2です。
麻生区の地点ランキング上位
| 順位 | 所在地 | 最寄り駅 | 地価 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 上麻生1-5-2 | 新百合ヶ丘駅・約200m | 170万円/㎡ | +8.97% |
| 2位 | 万福寺1-16-5 | 新百合ヶ丘駅・約100m | 85万4,000円/㎡ | +6.75% |
| 3位 | 百合丘1-19-8 | 百合ヶ丘駅・約140m | 56万7,000円/㎡ | +7.18% |
| 4位 | 百合丘2-11-3 | 新百合ヶ丘駅・約850m | 48万6,000円/㎡ | +7.52% |
| 5位 | 万福寺3-8-14 | 新百合ヶ丘駅・約650m | 44万5,000円/㎡ | +6.97% |
| 6位 | 上麻生2-24-25 | 新百合ヶ丘駅・約700m | 43万5,000円/㎡ | +8.21% |
1位の上麻生1-5-2は、店舗や事務所ビルが立ち並ぶ駅前商業地です。価格は1㎡あたり170万円、坪単価では約562万円となり、前年から8.97%上昇しました。
2位の万福寺1-16-5も新百合ヶ丘駅から約100mの商業地で、85万4,000円/㎡です。麻生区内でも、新百合ヶ丘駅の南口・北口にある商業地が突出しています。
住宅地でも新百合ヶ丘駅徒歩圏の上昇が目立つ
駅前の商業地だけでなく、新百合ヶ丘駅徒歩圏の住宅地でも上昇が確認できます。
上麻生2丁目
・新百合ヶ丘駅から約700m
・2026年:43万5,000円/㎡
・前年:40万2,000円/㎡
・変動率:プラス8.2%
万福寺3丁目
・新百合ヶ丘駅から約650m
・2026年:44万5,000円/㎡
・変動率:プラス6.97%
上麻生3丁目
・新百合ヶ丘駅から約1,100m
・2026年:29万1,000円/㎡
・変動率:プラス5.05%
駅に近く、区画が整った住宅地では、麻生区平均を上回る上昇地点も見られます。
麻生区の地価は2022年以降、上昇が加速
1983年以降の推移を見ると、麻生区の地価はバブル期に急騰し、その後長期間にわたり下落しました。近年は2014年頃から緩やかな回復が続き、2022年以降は上昇率が大きくなっています。
最近の麻生区公示地価平均
| 年 | 平均地価 | 変動率 |
|---|---|---|
| 2021年 | 25万3,375円/㎡ | -0.54% |
| 2022年 | 25万4,275円/㎡ | +0.04% |
| 2023年 | 25万9,825円/㎡ | +1.38% |
| 2024年 | 27万700円/㎡ | +3.46% |
| 2025年 | 28万8,743円/㎡ | +4.77% |
| 2026年 | 30万6,641円/㎡ | +5.12% |
2021年には一度下落しましたが、その後は上昇が続き、2024年以降は上昇幅がさらに拡大しています。
なぜ麻生区の地価は上がっている?
川崎市は、2026年の住宅地について、
・東京都内との価格差
・人口増加
・交通利便性が高い駅徒歩圏の堅調な需要
・駅徒歩圏の価格上昇が、坂のある地域やバス圏にも波及
などを背景に、地価上昇が続いたと説明しています。
川崎市内の住宅地は、継続調査された178地点すべてが上昇し、麻生区でも33地点すべてが上昇しました。麻生区の住宅地平均変動率は前年の4.6%から4.8%へ拡大しています。
麻生区では特に、
・新百合ヶ丘駅周辺の利便性
・駅近住宅地への需要
・小田急多摩線沿線の区画整理された住宅地
・新百合ヶ丘より価格を抑えられる周辺駅への需要の広がり
が地価を支えていると考えられます。
地価上昇は住んでいる人にどう影響する?
地価の上昇は、土地や住宅を所有している人にとって、資産価値が上がる可能性を示します。
一方で、必ずしもメリットだけではありません。
土地や住宅を所有している人
・売却時の査定価格が上がる可能性があります
・住宅ローン残高に対する資産価値が改善する可能性があります
・相続時の土地評価に影響する場合があります
・固定資産税の負担が将来的に変化する可能性があります
これから購入する人
・駅近の土地や新築住宅が高くなりやすくなります
・同じ予算では土地面積が小さくなる可能性があります
・新百合ヶ丘だけでなく五月台、栗平、百合ヶ丘なども比較対象になります
・駅からの距離、坂、接道、用途地域などの確認がより重要になります
ただし、公示地価は標準的な土地の指標であり、実際の売買価格そのものではありません。
同じ町内でも、駅からの距離、土地の形、道路の幅、方角、高低差などによって価格は大きく異なります。
2019年の記事から変わったこと・変わらないこと
以前の記事と今回のデータを比較すると、次のように整理できます。
変わらない点
・新百合ヶ丘駅周辺が麻生区の地価をけん引しています
・はるひ野駅は現在も高い上昇率です
・駅への近さが価格に強く反映されています
変わった点
・町名別では万福寺がトップとなっています
・上昇率トップの町名は五力田です
・五月台や栗平など多摩線沿線にも上昇が広がっています
・麻生区平均の坪単価が100万円を超えました
・新百合ヶ丘駅前の商業地では約9%の上昇地点もあります
以前は「新百合ヶ丘が高く、はるひ野が伸びている」という構図でした。
現在はそれに加えて、五月台・白鳥・栗平周辺などにも上昇が広がっている点が、2026年の特徴といえそうです。
まとめ|新百合ヶ丘がトップを維持しながら、多摩線沿線にも上昇が波及
2026年の麻生区の地価をまとめると、次の通りです。
・麻生区の公示地価平均は30万6,641円/㎡
・平均変動率はプラス5.12%
・平均坪単価は101万3,689円
・町名別の地価1位は万福寺
・町名別の上昇率1位は五力田
・駅別の地価1位は新百合ヶ丘駅
・駅別の上昇率1位は、はるひ野駅
・最高価格地点は上麻生1-5-2の170万円/㎡
・住宅地では上麻生2丁目がプラス8.2%
・商業地の平均上昇率は住宅地を上回っています
・五月台、栗平、はるひ野など多摩線沿線でも上昇が目立ちます
新百合ヶ丘駅周辺は、引き続き麻生区の地価をけん引しています。一方で、今回のデータからは、地価上昇が新百合ヶ丘だけに集中しているのではなく、五月台やはるひ野など、多摩線沿線の住宅地にも広がっていることが分かります。
新百合ヶ丘の利便性を重視する人だけでなく、住環境と価格のバランスを求める人が、周辺駅にも目を向けていることが背景にあるのかもしれません。
※この記事の数値は、2026年の公示地価と2025年の基準地価をもとにした集計です。公示地価・基準地価は実際の売買価格を保証するものではありません。土地や住宅の売買を検討する際は、不動産会社や不動産鑑定士などにご確認ください。
新百合ヶ丘駅周辺の地価や住まいに関する記事
麻生区、新百合ヶ丘駅周辺の住まいなどに関する記事はこちらを参考にしてください
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【2026年版】新百合ヶ丘駅周辺の家賃相場は?HOMES・SUUMOのデータから見る“しんゆり賃貸事情”
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