川崎市では、水道料金・下水道使用料の改定が検討されています。
川崎市上下水道局は、将来にわたって安定した上下水道サービスを維持するため、料金・使用料改定の方向性をとりまとめ、市議会へ報告しました。
今回のポイントは、以下の通りです。
・水道料金は、2027年4月から全体として20%台前半の改定を検討
・下水道使用料は、全体として10%台前半の改定を検討
・一般的な家庭では、上下水道料金あわせて月300円〜1,200円程度の値上げを見込む
・下水道使用料は、2028年4月以降の改定も視野に検討
・最終的な金額や時期は、今後の市議会での審議などを経て決定
この記事では、
・なぜ水道料金・下水道使用料の改定を検討しているのか
・いつから変わる可能性があるのか
・どれくらい値上げになるのか
・新百合ヶ丘・麻生区の家庭にどのような影響がありそうか
を整理します。
※この記事は、川崎市上下水道局が公表している資料をもとに作成しています。今後、内容が変更される可能性がありますので、最新情報は川崎市上下水道局の公式情報をご確認ください。
まず結論|一般家庭では月300円〜1,200円程度の負担増を見込む
川崎市が公表した「水道料金・下水道使用料改定の方向性」では、一般的な家庭の場合、上下水道料金をあわせて、月300円〜1,200円程度の値上げを見込んでいます。
ただし、実際の負担額は家庭によって異なります。
たとえば、
・世帯人数
・水の使用量
・水道メーターの口径
・戸建てか集合住宅か
・事業用利用があるか
などによって、影響額は変わります。
そのため、「全家庭が一律で同じ金額上がる」というものではありません。
なぜ水道料金・下水道使用料の改定を検討しているの?
川崎市が水道料金・下水道使用料の改定を検討している大きな理由は、上下水道を将来も安定して使い続けられるようにするためです。
水道や下水道は、普段はあまり意識しないインフラですが、生活には欠かせません。
・蛇口をひねれば水が出る
・トイレやお風呂、洗濯で使った水を流せる
・災害時にもできるだけ機能を維持する
・老朽化した管路や施設を更新する
こうしたサービスを維持するには、水道管・下水道管・浄水場・処理場などの設備を計画的に更新し、耐震化を進める必要があります。
理由① 老朽化した水道管・下水道管の更新が必要
水道管や下水道管は、長く使い続けると老朽化します。
老朽化が進むと、
・漏水
・破損
・道路陥没
・断水
・下水道機能の低下
などのリスクが高まります。
事故が起きてから対応するのではなく、影響が大きい場所から計画的に更新する必要があります。
特に、消防署や警察署、病院など重要な施設につながる管については、災害時にも機能を維持できるように、優先的に耐震化を進める必要があります。
理由② 物価・資材価格・金利・人件費が上がっている
近年は、さまざまなコストが上昇しています。
・資材価格の上昇
・工事費の上昇
・人件費の上昇
・金利の上昇
・電気代など維持管理費の上昇
上下水道事業も例外ではありません。
水道管や下水道管を更新する工事、施設の修繕、設備の更新などには多額の費用がかかります。
これまでと同じ料金水準のままでは、必要な更新や耐震化を着実に進めることが難しくなっている、というのが川崎市の説明です。
理由③ 大口使用者の水需要が減少している
もうひとつの大きな理由が、大口使用者の水需要の減少です。
川崎市の料金制度は、これまで多くの水を使う事業者などからの料金収入に一定程度支えられてきました。
しかし、近年は大口使用者の水需要が減少傾向にあります。
そのため、
・多く使う事業者からの収入に依存しにくい仕組みにする
・小口利用者も含めて、より安定して支える仕組みにする
・実態に合った料金体系に見直す
ことが必要になっているとされています。
理由④ 現在の料金制度が古くなっている
川崎市の資料では、現在の料金制度の大枠は、高度経済成長期の昭和40年代から大きく変わっていないとされています。
当時は、水道や下水道の普及を進めることが大きな目的でした。
そのため、
・一定水量まで定額にする
・生活用水を低廉に抑える
・水の利用を促す
という考え方がありました。
一方で、現在は水道・下水道の普及率はほぼ100%に達しています。
入浴、手洗い、うがい、洗濯、トイレなど、水を使う生活はすでに定着しています。
そのため、川崎市は、現在の利用実態に合わせて、より分かりやすく、公平な料金体系に見直す必要があるとしています。
料金の仕組みはどう変わる?
今回の見直しでは、単に料金を上げるだけではなく、料金の仕組みそのものも見直す方向です。
主な見直し内容は以下です。
・水道料金をメーター口径に応じた料金体系へ見直す
・基本水量制の廃止を検討する
・多く使うほど単価が高くなる仕組みの差を小さくする
・水量区分を整理する
・使った分に応じた分かりやすい料金体系に近づける
特に注目したいのは、基本水量制の廃止です。
現在は、月8立方メートルまでの水量について、一定の料金で利用できる仕組みがあります。
しかし、今後は「使った分に応じた料金」に近づける方向で検討されています。
どれぐらい値上げになるの?
川崎市の方向性では、改定率の目安として以下が示されています。
・水道料金:全体として20%台前半
・下水道使用料:全体として10%台前半
ただし、これは全体の改定率であり、個別の家庭で同じ割合になるとは限りません。
家庭ごとの使用量やメーター口径によって、値上げ額は変わります。
モデルケースではどれぐらい増える?
川崎市の資料では、仮に水道料金を24%、下水道使用料を14%改定した場合のモデルケースも示されています。
月額・税込のイメージでは、以下のような負担増です。
| 世帯イメージ | 使用水量 | 現行の上下水道合計 | 改定後イメージ | 増加額 |
|---|---|---|---|---|
| 単身世帯 | 月7立方メートル | 1,309円 | 1,583円 | 274円 |
| 2人世帯 | 月14立方メートル | 2,714円 | 3,287円 | 573円 |
| 3人世帯 | 月21立方メートル | 4,860円 | 5,857円 | 997円 |
| 4人世帯 | 月24立方メートル | 6,012円 | 7,170円 | 1,158円 |
このモデルでは、単身世帯では月300円弱、4人世帯では月1,000円を超える負担増となっています。
ただし、これはあくまで資料上のイメージです。
最終的な料金表は、今後の検討や市議会での審議を経て決まります。
新百合ヶ丘・麻生区の家庭にも影響はある?
川崎市全体の水道料金・下水道使用料の見直しですので、新百合ヶ丘や麻生区の家庭にも影響があります。
特に、以下のような家庭では、影響額がやや大きくなる可能性があります。
・家族人数が多い
・洗濯回数が多い
・お風呂を毎日ためる
・在宅時間が長い
・庭の水まきなどで水を使う
・飲食店や事業利用がある
一方で、単身世帯や使用水量が少ない家庭では、増加額は比較的小さくなる可能性があります。
ただし、基本水量制の見直しにより、少量利用世帯でも一定の影響が出る可能性があるため、今後の具体的な料金表を確認する必要があります。
いつから変わる予定?
川崎市の方向性では、水道料金については、2027年4月からの改定が示されています。
一方で、下水道使用料については、水道料金と同時に改定すると市民生活への影響が大きいことから、2028年4月以降の改定も視野に入れて検討するとされています。
つまり、現時点では以下のように整理できます。
・水道料金:2027年4月から改定の方向
・下水道使用料:2027年4月または2028年4月以降の改定も視野
・最終判断:今後の市議会での審議を経て決定
今後のスケジュール
今後は、川崎市内部での検討や市議会での審議が進められます。
大まかな流れは以下です。
・2026年5月:料金・使用料改定の方向性を市議会へ報告
・2026年6月:市民向けに方向性を公表
・2026年度中:広報紙、チラシ、アプリ通知、イベントなどで周知
・2026年9月議会:改正水道条例などの議案を上程予定
・2027年4月:水道料金改定の想定時期
・2028年4月以降:下水道使用料改定も視野
なお、下水道使用料については、水道料金と同時に改定するか、時期をずらすかが今後の大きなポイントになりそうです。
市民は何を確認すればよい?
今後、家庭で確認しておきたいのは以下です。
・毎月または2か月ごとの水道使用量
・現在の上下水道料金
・水道メーターの口径
・川崎市から届く検針票やチラシ
・上下水道局アプリや公式サイトの案内
・市議会で決まる最終的な料金表
特に、普段どれくらい水を使っているかを把握しておくと、改定後の影響をイメージしやすくなります。
生活への影響は?
今回の改定は、一般家庭にとって毎月の固定費が増える可能性がある内容です。
たとえば、月300円〜1,200円程度の増加であっても、年間では以下のような負担になります。
・月300円増:年間3,600円
・月600円増:年間7,200円
・月1,200円増:年間14,400円
家計への影響は決して小さくありません。
一方で、水道・下水道は生活に欠かせないインフラです。
老朽化した管路や施設の更新、耐震化を進めるための財源をどう確保するかは、今後の安全・安心にも関わる問題です。
単なる値上げではなく、将来も安心して水を使い続けるための負担をどう分かち合うか、という視点で見る必要がありそうです。
まとめ|川崎市の水道料金・下水道使用料は今後の市議会審議に注目
川崎市では、水道料金・下水道使用料の改定が検討されています。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
・水道料金は、令和9年4月から20%台前半の改定を検討
・下水道使用料は、10%台前半の改定を検討
・一般家庭では、上下水道あわせて月300円〜1,200円程度の値上げを見込む
・背景には、物価高騰、金利上昇、老朽化施設の更新、耐震化、大口使用者の水需要減少がある
・料金の仕組みも見直され、基本水量制の廃止や口径別料金制の導入が検討されている
・下水道使用料は、令和10年4月以降の改定も視野に入れて検討
・最終的な料金表や時期は、市議会での審議などを経て決定
新百合ヶ丘・麻生区に住む方にとっても、毎月の生活費に関わる大きなテーマです。
今後、川崎市からの広報や市議会での審議内容を確認しながら、具体的にどれくらい影響があるのかを見ていく必要がありそうです。

